27’s blog

地方理学療法士のブログ

理学療法士と作業療法士の違い

 

 

リハビリを提供できる職業になりたいけど、理学療法士作業療法士って何が違うの?

文面だけ見てもイマイチピンと来ないから、どちらを目指せばいいのか分からない。

そんな方もいるんじゃないでしょうか!

 

病院によってはその線引きもはっきりしていないところもあるため、一般の方には分かりにくいところがあるかと思います。

 

 

本日は、理学療法士作業療法士の違いについてお話します。

 

ちなみにですが。

私が臨床を行ってきて感じた感覚や考えのもとにお話します。

そのため、これが正しい答えではありませんのでご注意を…

あくまで、一意見として参考にしていただければ幸いです。

 

 

 

1.部位による分け方

2.アプローチによる分け方

・身体機能と心身機能

・機能面と能力面

・基本動作・ADL動作

3.明確な差はないが

 

 

 

1.部位による分け方

 

 

これは、私が長期実習を行っていた施設でのお話です。

こちらでは、主に上肢を作業療法士(OT)が、下肢を理学療法士(PT)がアプローチを行っていました。

そのため、手指や上肢を使用する机上訓練をOTが実施し、下肢機能の改善が重要となってくる立位・歩行訓練をPTが実施していました。

 

しかし、このような分け方をすると問題になってくることがあります。

 

 

人間の身体は上肢と下肢のみでしょうか?

 

 

違いますよね。

 

座位姿勢が必要な机上訓練も、立位・歩行訓練にも、体幹機能が必須となります。

上肢と下肢という分け方をしていると、どうしても体幹への着目が不足しがちです。

 (体幹=胸部・腹部・骨盤など体の中心を支えている部位)

 

正直言って、体幹機能が乏しくても座ったり立てって歩いたりすることはできます。

しかし、強い猫背や腰が引けたまま歩いていたりするのでとても不格好なんです。

 

ということもあり、OT=上肢、PT=下肢という考え方は捨て去るべきかと思います。

 

 

 

2.アプローチによる分け方

 

 

まず、身体機能と心身機能について。

 

作業療法士が行うリハビリの目的は、「身体障害者精神障害者の応用動作能力と社会的適応能力を回復させること」である。一方、理学療法士が行うリハビリの目的は、「身障者の基本的な動作能力を回復させること」である。(Wikipediaより引用)

 

理学療法士は身体機能へのアプローチが行えます。

作業療法士は身体機能と精神機能でのアプローチが行えるということです!

 

ということは、理学療法士では学ぶことのない精神機能の学習も行います。

そのため、臨床において作業療法学科は精神病院・精神科での実習が必須となります。

 

 

 

次に、機能面と能力面についてです。

 

例えば、転んで腕を骨折したとします。

初めは痛くて動かせなかったり、骨がくっついていないので動かしてはいけなかったりします。

徐々に骨がくっついてくると、動かせるはずですよね?

それが動かせない、または動かしにくくなることがあります。

 

理学療法士は、筋肉や骨などの機能的なところに着目し、アプローチをします。

作業療法士は、腕の使いどころがどこなのか、お箸を持つ・ドアノブを回す・服を着替えるそういった日常生活活動に着目してアプローチを行います。

 

 

そのため、理学療法の訓練は地味な訓練が多いと感じるかもしれません。

(ひたすら、関節を伸ばすためのストレッチや筋力アップのための筋トレなど)

しかし、作業療法士は訓練内容と良くなってほしい動作が直結し易いです。

そのため、患者さん自身は楽しかったりやりがいを感じやすいかと思います。

 

 

 

最後に、基本動作・ADL動作についてです。

理学療法士は、基本動作(起きる・座る・立つなど)や歩行を専門的に見ることができます。

作業療法士は、食事動作・洗濯動作・入浴動作などの日常生活に必ず必要となってくる動作を専門的に見ることができます。

 

そのため、歩くために必要な杖や歩行器、車いすなどは理学療法士が詳しく、食事や入浴をしやすくするための道具=自助具などについては作業療法士が詳しいですね。

 

正直言って、これも施設によるんですけどね(笑)

施設によれば、OTの人数が少なくPTの人数が多いためにこういった道具の検討をPTが行ったりもしますし、OTが車いすの検討を行うことも多々あります。

 

 

 

3.明確な差はないが

 

 

先述したように、はっきり言って理学療法士作業療法士に明確な線引きや差はありません!(ここにきて言っちゃいました)

ただ、この分野が得意とかより専門的な知識などは職種によってあります。

 

しかし、明確な差はないからこそ患者さん一人一人に対して、必要に応じたアプローチを行うことができます。

 

 

学校・大学では、学科を差別化していますが、臨床上は患者さんに関わる他職種がチームとして動きます。

「あなたOTだからこれやって!」「PTだからこれわかるでしょ?」ではないのです。

理学療法士作業療法士も連携しつつ、専門的な知識を共有することが必要ですね。

 

 

他職種が連携し、アプローチすることが大切だと思います。

 

 

しかしながら、リハビリテーションを提供する上で養成校への入学は必須。

学科選びは必要です。

本日お話ししたような内容から、自分は理学療法士のような専門性を持ちたいのか。

作業療法士のような専門的な勉強をしたいのか。など自分に合うと思う方を選べばいいんじゃないでしょうか。

 

 

 

また、具体的なお話をしていけたらなと思います。

本日も最後まで読んでいただきありがとうございました。

 

では!